こんな時は受診しましょう

・鼻水、鼻づまりが治らない
・鼻炎、花粉症ではないか心配

 ・鼻炎の薬についてわからない
 ・舌下免疫療法について

 詳しく知りたい

 

(当科でダニとスギ花粉の

 舌下免疫療法ができます)

 

【アレルギー性鼻炎とは】

くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続いている、

よく鼻をこする、よく鼻血を出す、

という場合、アレルギー性鼻炎による

症状かも知れません。

 

アレルギー性鼻炎とは、

ハウスダストや花粉などで鼻粘膜が

刺激されて起こる鼻炎です。

 

アレルギー性鼻炎は、

鼻炎を起こす原因によって大きく2つに

分けられます。アレルギーの原因物質を

アレルゲンと呼びます。

 

①通年性アレルギー性鼻炎

ダニやホコリ、ペットなどが

原因となるもので、

一年を通して症状が続きます。

 

②季節性アレルギー鼻炎=花粉症

スギやヒノキ、イネ科花粉など

特定の時期に飛ぶ花粉が原因で

起こります。

 

最近では、アレルギー性鼻炎を

発症する年齢が徐々に

低くなってきており、

子供のアレルギー性鼻炎も

珍しくありません。

 

*1-2歳で発症するお子さんも居ます

 

鼻が詰まって眠れない、

鼻のかゆみが気になって授業に集中

できない、など、

日常生活に影響を及ぼします。

 

【アレルギー性鼻炎の症状】

 ・鼻水、くしゃみ、鼻づまりが長引く

・よく鼻をいじる、こする

・鼻づまりのため口呼吸が多い

・よくイビキをかく

朝起きたときのくしゃみが多い

のどの違和感、いがいががある

・咳が長引く、目がかゆくなる

 

【アレルギー性鼻炎の治療】

アレルギー性鼻炎は、

ぜんそくやアトピー性皮膚炎のように

成長とともに良くなっていくことは

少なくなっております。

むしろ悪化することが多いでしょう。

 

アレルギー性鼻炎の治療治療の原則は、

 

①アレルゲンとの接触を減らす

②薬物療法

③アレルゲン免疫療法

 

です。

 

アレルゲンとの接触を減らす、

ダニ対策、花粉対策、イヌ対策、など

アレルゲン対策が重要です。

 

可能な限り=出来る範囲で、

アレルゲンを減らす努力は必要です。

 

しかし、掃除をいくら頑張っても

ハウスダストをゼロには出来ませんし、

マスクやゴーグルをしても、

花粉を全てブロックは出来ません。

 

薬物療法:

・抗ヒスタミン剤:

  痒みや鼻汁を減らす内服薬

・抗ロイコトリエン拮抗薬

・ステロイド点鼻薬   など

 

アレルゲンを全て排除する

ことは不可能=限界がある、

アレルギー性鼻炎自体、

治りにくい、ことから、

アレルゲン免疫療法の効果が

期待されます。

 

【アレルゲン免疫療法とは】

アレルゲン免疫療法=減感作療法

アレルゲン(スギ花粉症ならスギ花粉)

のエキスを少しずつ投与することで、

アレルゲンに対し体を慣らしていき

症状を和らげるようにする治療法です。

 

これまでアレルギー性鼻炎の治療は、

内服薬や点鼻薬を使用して、

症状を抑えるといった「対症療法」

しかありませんでした。

 

アレルギー性鼻炎は治りにくい病気

ですから、これでは、

ずっと薬物治療が必要になります。

 

アレルゲン免疫療法は、

治療により徐々に体質を変え、

アレルゲンに反応しにくくする、

いわゆる「根治療法」と呼ばれる

治療法です。

 

これまでのアレルゲン免疫療法は、

ダニなどのアレルゲンエキスを定期的に

皮下に注射するという治療法でしたが、

お子さんに対して毎回注射をすること

かなりの負担があるため、

ほとんどの小児科では実施していません。

 

また、注射では、

まれに強いアレルギー反応が起きることが

あるため、「やりにくい治療」

という位置づけでした。

 

注射しなくて良い方法として、最近では、

「舌下免疫療法」

ができるようになっております。

 

【舌下免疫療法とは】

舌の裏側にアレルゲンのエキスの入った

舌下錠を置き、そのまま徐々に粘膜から

吸収させます。

 

注射と違って、痛みがないこと、

強いアレルギー反応が少ない事、

自宅で実施できる事、

など、大きなメリットがあります。

 

現在、日本で販売されているアレルゲン

舌下錠は、スギ花粉、ダニ、

対するものです。

 

ダニ:2018年2月から12歳以上→

   5歳以上に適応が拡大

スギ:2018年6月下旬に新発売

 

*舌下免疫療法が可能な患者さん

 ・5歳以上

  (舌下に5分間お薬を保持できる方)

 ・スギ花粉症、

  ダニによるアレルギー性鼻炎、

  の診断がしっかりされている方

 ・重症の気管支ぜんそくのない方

 ・重い心臓病のない方

 ・免疫不全症や悪性腫瘍などの

  ご病気がない方

 

【舌下免疫療法の実際】

舌下錠の治療についてもう少し詳しく

 

毎日、舌の裏側に5分程度、

お薬を保持してから飲み込みます。

初めてお薬の使用する時は、

院内で治療開始とし、

30分間観察いたします。

 

最初の1週間は少ない量の舌下錠で

治療し、問題がなければその後は

ずっと維持量での治療になります。

 

舌下錠の有効率は 80%程度 です。

完全に治らない場合でも、

鼻炎の症状が軽くなり、

抗ヒスタミン薬などの薬の量を

減らすことができます。

全ての患者さんに必ず効果がある

訳ではありません。

 

半年から1年ほどで、治療の効果が

みられてきますが、

治療終了後も効果を持続させるために、

3年から5年程度 の治療継続が

勧められています。

 

副作用:

副作用で多いのは、

舌下粘膜の刺激感や軽い腫脹、

耳の奥の違和感などですが、

ほとんどは自然に改善します。

 

アナフィラキシーの危険性は、

ゼロではありませんが、実際にはほぼ

発生しておりません。

 

開始時期:

体調さえよろしければ、

ダニの舌下療法はいつでも開始できます。

 

スギ花粉の舌下療法では、

花粉が多く飛んでいる時期を避けて、

6月から11月の間に治開始します。

 

*アレルギー性鼻炎だけでなく、

 アレルギー性結膜炎やぜんそくの症状が

 改善したという報告もあります。